今、皆さんはこの文章を読んでいますが、皆さんは目の前にあるこの文章を認識しています、文章を読んでいる自分を認識しています…つまり、皆さんには意識があります。その意識とは一体どこに存在しているのでしょうか。頭の中でしょうか?体の中でしょうか?それともどこか他の場所でしょうか?直感的には、頭の中ではないでしょうか。頭のてっぺんでも、おでこの内側でも、頭の中全体に広がっているとしても、脳のどこかに意識が存在していると考える方が多いのではないでしょうか。しかし、意識は頭の中には存在していません。実は、体のどこを探しても意識は存在していません。さらには、世の中のどこを見渡しても意識は存在していません。なぜなら、皆さん自身を含むこの世界全体は、皆さんの意識が創り出しているものであり、全ては意識の中に存在しているものだからです。なんだかとても怪しげで、ややこしい話になってきました。宗教ではありませんので、お付き合いください。
下の絵を見てください。キャンバスに描かれた絵が、皆さんが生きている世界だとします。そして、絵の真ん中にいる白い服を着たウェイターが皆さんだとします。この時、皆さんの意識とは、この絵が描かれたキャンバスなのです。つまり、自分を含めた現実世界は、意識というキャンバスの中に存在しているのです。意識は自分や自分が生きている世界のどこかにあるのではなくて、自分や自分が生きている世界が意識の中にあるのです。

再び、寝ているときに見る夢を考えてみてください。ちょうどウェイターの話が出てきたので、夢の中で、皆さんはカフェの店員だとしましょう。店内を見渡してください。テーブルや椅子があります。コーヒーを飲んでいる人や、本を読んでいる人や、友達と話しをしている人たちがいます。夢の中で皆さんは、店内を見渡している自分の中に意識があると思うかもしれません。しかし実際には、自分も含めた店内の景色は全て意識の中で起きていることですよね。店内にいる自分も、お客さんたちも、テーブルや椅子やコーヒーも、全ては意識というキャンバスの中で起きていることですよね。全ては意識が創り出したものであって、全ては意識の中に存在しているのです。自分自身も含めてです。目が覚めているときに経験する現実も同じことです。そういう意味では、先ほど言った「世の中のどこを見渡しても意識は存在していない」には少し語弊があったかもしれません。なぜなら、全ては意識の中に存在していて、全ては意識がいわゆる物質として具象化したものだからです。












