量子力学と現実世界6章「宇宙というホログラム」

まず最初に、大切な概念を導入したいと思います。それは、ホログラフィーです。ホログラフィーとは3D映像(立体的な映像)を作る技術のことです。ホログラフィーを使ってできた3D映像、もしくはそのフィルムのことをホログラムといいます。普通の写真は平らなスクリーンや紙の表面に描かれた絵のようなものですが、ホログラムは撮影したものを立体的に3Dで再現することができます。もちろん、ホログラムは映像として映し出されているだけなので、触ってもそこには何もありません。

ホログラムには様々な特徴がありますが、ここでは次の特徴を取り上げたいと思います。それは、「部分」は「全体」であるということです。変に聞こえるかもしれませんが、これは比喩ではありません。文字通り「部分」は「全体」なのです。ホログラムは写真と同じようにフィルムに記録されていて、そこに光を照射することにより3D映像が映し出されますが、例えば、一つのイチゴが撮影されたホログラムのフィルムがあるとします。そのフィルムを半分に切って、その半分になったフィルムに光を照射します。普通に考えると、半分になったイチゴの3D映像が浮かび上がってきそうなものです。しかし、半分に切られたフィルムでも、撮影されたイチゴがちゃんと丸ごと浮かび上がるのです。実際、フィルムをいくら細かく切っても、一つひとつのフィルム破片からはもともと撮影された一つのイチゴの3D映像が浮かび上がります。

つまり、ホログラムのフィルムの全ての場所には、イチゴの全体像が記録されているということです。実際に、ホログラムフィルムの下の方の一部分を切り取って、そこに光を照らして浮かび上がるホログラムを見ると、もともと撮影した3D映像を下から見ているような印象を受けます。ホログラムのフィルム上のどんなに小さな点を切り取っても、その角度から見たオリジナルの3D映像が記録されているのです(フィルムを切り取っていくと、オリジナルを他の角度から見た情報がなくなるので、浮かび上がるホログラムは劣化していきますが)。つまり、宇宙がホログラム的にできているとしたら、無数の視点から見た宇宙の全体像が存在しているということです。

この記事と関係のある範囲でホログラムについて簡単に説明しましたが、ホログラムを作る技術はそれほど重要ではありません(詳しくは、ホログラフィー – Wikipedia)。近年、宇宙はホログラム的( “的“ という言うのは、実際にはどのようになっているかわからないからです)にできていると言われますが、ここで重要なことは、宇宙がホログラムの3D映像のようなものだとしたら、無限の視点から見た宇宙全体の姿が存在しているということです。では、それは我々の考える現実世界において具体的にどのようなことを意味しているのでしょうか。




大正時代に流行り病で亡くなった花奈は、魂の故郷へ還る前に、様々な次元の並行現実を旅しています。様々なテーマで花奈をチャネリングし、癒しの詩に翻訳しています。