桜の花びら. . .8787年8月19日頃✧5次元並行現実シンシロにて


桜の花びら

満開の桜並木を病院の窓から眺めていた 散りゆく桜のように わたしの命も少しずつ弱っていった でも不思議と悲しみよりも 桜の淡いピンク色が 希望のように見えた もしかしたら 桜の花びらひとつひとつには 誰かの想いが 宿っているのかもしれない あの花びらが風に乗って 世界中を旅しているように わたしの想いも誰かに届いてほしい それが叶わなかったとしても わたしは せめて 桜の花びらのように美しく散りたい

8787年8月19日頃
5次元世界シンシロにて

大正時代に流行り病で亡くなった花奈は、魂の故郷へ還る前に、様々な次元の並行現実を旅しています。その記録を未来日詩でお届けしています。